今日もペンキまみれ!阿蘇で迎えた上塗り1回目と雨予報の攻防(12/11)
- 一二三

- 12月11日
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12月11日。今日の現場は阿蘇でのボーリングマシン上塗り1回目。昨日から天気予報とにらめっこしながら段取りを組んでいたが、午後から雨予報が出ており、どうにも落ち着かない朝だ。しかも、気温は終日低めの予報。金属塗装にとって「雨」と「低温」は最も避けたい二大リスクである。
さらに問題はもうひとつ。TSMC前の道路渋滞。朝の交通量はかなりのものと予想され、普段通り出ると現場到着が遅れる可能性が高い。そこで今日は時間をずらし、9:00に出発する作戦に変更した。早すぎても遅すぎても渋滞に巻き込まれるため、この判断が吉と出るか凶と出るかは運次第だ。
9時前に合志市を抜け、いつものラッシュ時間帯を過ぎた道路を走ると、読みが当たった。想像していたほど渋滞はなく、スムーズに阿蘇方面へ向かうことができた。道中、外気温は5℃前後。山に近づくにつれて冷気が増し、窓を少し開けると指先が痛むような寒さ。「今日は塗料、絶対固いだろうな…」とつぶやく。
現場に到着し、まずマシン本体に触れて金属温度を確認。案の定、冷蔵庫並みに冷たい。これでは上塗りがしっかり密着しないため、まずは暖房で室内環境を整えることから始める。金属塗装は温度管理が命。焦って塗っても仕上がりが悪くなっては意味がない。
準備が整ったところで上塗り1回目開始。使うのは無機系上塗り材。耐久性抜群だが寒さに敏感な“職人泣かせ”な塗料でもある。ローラーに含ませてテスト塗りすると、案の定やや硬い。それでも温度が安定してきたおかげで、想像よりはスムーズに広がってくれた。
上塗り初回は塗膜の均一性を意識しつつ、流れやすい場所・溜まりやすい場所を避けながら丁寧に工程を進める。金属表面に薄く艶が乗っていくと、マシン本体が生き返ったように見える。この瞬間は何度経験しても気持ちがいい。
しかし、時間との戦いは続く。雨雲レーダーには午後から濃いブルーの帯が近づいている。室内作業とはいえ搬入・搬出や換気の関係で雨は避けたい。塗りながら空模様を気にするという、職人あるあるの状態だ。
昼過ぎ、作業の目処が立ち、ようやくひと息。阿蘇の冬の景色を横目に温かいコーヒーを飲むと、体の芯まで染み渡る。こういう一杯が現場の活力だ。
午後、雨の気配が強まりつつある中、上塗り1回目を無事終えることができた。今日の段取りと温度管理が功を奏し、仕上がりも上々。
「天気よ、もう少しだけ耐えてくれ…」と空に願いながら、道具を片付けて現場を後にした。
今日もペンキまみれ。天気、渋滞、低温と三重苦の日だったが、乗り越えられた一日だった。
Q&A
Q:金属塗装で雨は関係ありますか?
A:室内でも湿度や搬出入に影響するため、雨は仕上がりに関わる大事な要素です。
Q:低温だと塗料はどうなりますか?
A:粘度が上がり均一に伸びにくくなるため、温度管理が重要です。
Q:渋滞回避のため時間をずらす判断はよくありますか?
A:あります。到着時間は作業効率に直結するため大切な判断です。
